日常的風景









2002.5.19 札幌

初のワンマンライブ。

第一部の時、
なんだかメイクが物足りなく感じるな…
と思いながらもステージへ。

そして戻ってきてから気が付いた。
顔に紋章描いてねぇし!

皆気が付いてた?

僕もメンバーも誰一人気が付かなかったよ…。
今まで一度も描き忘れた事は無かったのに、
この日はどういう訳だろうな。


意外と時間が早く感じて、
前半も後半もあっという間だった気がする。

準備やら何やらで始まるまで随分慌ただしかったけど、
良いライブだった。











2002.4.9 札幌

夢でしかなかった事が
思ったより近く感じられた。

凄く充実した一日だった。











2002/3/16〜4/1 全国ツアー




2002.3.16 札幌

昨日まで徹夜でレコーディング。
メンバー皆3日程マトモに寝ていない。
しかも明日からは全国ツアーに出発で、
このままではツアー初日から倒れそうである。

この日はリハが終わってから出番まで結構時間に余裕があった。
寝るなら今しかない!と思ったのは
どうやら僕一人だけではなかったらしく、
allure ideaは次々と睡魔に倒れていった。

後から楽屋に入ってきた対バンの人は、
死んだ魚の様に床に倒れている
allure ideaを見て
「なんだコレ!?」と思った事だろう。






2002.3.20 東京

撮影のため、早めに東京入りしていたallure idea。

が、朱莉が突然風邪に倒れる。
あの朱莉が、何も食いたくないと言う。
こいつは重症だ。

明日はツアー初日なのに大丈夫なんだろうか?
とりあえず安静にさせておいた。


翌日の横須賀への道中、
朱莉がしきりに腹が減ったと訴え出す。
どうやらだいぶ回復したようだ、わかりやすい。






2002.3.23 仙台

ライブ後、ライブハウスの前でallureメンバーは
二人連れの女性に声をかけられた。
そしてこの後不思議な会話が交わされる。

「あの、バンドやってる方ですか?」
「そうですけど」
「いつライブとかやってるんですか?」
「……たった今、ココでやってた」
「あっ、そうなんですか!?あ…あの…」

そして一人が僕を指差した。


「……幽々白書…?」


「は??」
「青い髪…」
「え??」
「あっ、いえ、なんでもないです!それじゃ…」

と、彼女等はバタバタと去っていった。
僕達に多大な疑問を残して。

幽々白書って僕みたいな人物でもいたんだろうか?
僕はあまりその漫画に詳しくないので解らない。
だがメンバーに聞いても思い当たる人物はいないと言うし、
漫画に詳しい人に聞いても、
似た感じの人物はいるが(それも誰なのか気になるが)
髪の色が全然違うと言う。

…幽々白書って一体どういう意味なんだ!?いまだ謎。






2002.3.24 会津若松

移動中、神羽が車内で寝ていた。
何かうにゃうにゃ寝言を言っているようなので
よく聞いてみると、


「……ペナルティエリア外…」


と言っていた。(朱莉談)

どんな夢だよ。






2002.3.25 移動日

今回の旅は特別何も変わった事ないな、
と誰かが言った。

たしかに今の所
何も問題は起きていない。
いつも何か死ぬかもと思う瞬間があるのに
(いつもあるのもどうかと思うが)
今回はまだないな。

ひょっとして今回は
このまま安全に旅が続けられるのかallure idea!?


…そんな期待は数日後に崩れ落ちる。






2002.3.26 前橋

ステージから落ちた。

急に視界が下降した。

焦った。

調子に乗って前に出過ぎたらしい。

低いステージでよかった。







2002.3.27 宇都宮

僕は寝ていた。
車は宇都宮VOGUEに向かっていた。

突然、激しい衝撃と音で目が覚める。
何が起きたのかよくわからず車内を見回すと、
運転手だった朱莉がヘコみまくっている。
何事かと車を降りてみると、車も思いっきりヘコんでいた。

そして本番、
ライブ後僕がまだステージに残っているのに
早々と幕が閉められた。

これにもヘコんだ…。






2002.3.30 金沢

僕は寝ていた。
車は金沢に向かっていた。

「あー、無理無理!俺には無理!」
という声が聞こえた。

一体何が無理なのか?と思いながらまだぼんやりしていると、

『ゴン』
という音が後ろから聞こえた。

「やばッ!!」
「逃げろ!」
目を覚まし辺りを見回すと、
何処かの駐車場のようだったが、
機材車は素晴らしい速さでその駐車場を後にした。
状況から察するに……

まさか、またか?allure idea…。

誰が運転していたかは、伏せておく事にしよう。


そしてこの日のライブも一生の不覚。
メンバーのおかしな様子には大抵気が付くのに、
この日はまったく気が付かなかった。

ライブ中にいきなりHappy birthdayを歌われ
クラッカーを鳴らされ正直かなり動揺した。

そういや神羽の時には
自分が企画してライブ中にゲリラ誕生会をやったが、
いざ自分がやられると

「しまったやられた!」

と思ってしまう。


今度誕生日とライブ重なる奴、覚えてろよ。






2002.4.1 大阪

ライブ前に食ったタコヤキ屋が美味かった。
出番終了後、
朱莉と雫が会場を抜け出して
タコヤキ食いに行ってきたという。
暁も食いに行ったというので、
僕も行こうと会場を抜け出した。

しかし運が悪かった…目の前で店が消灯。

時間は20:02分、
どうやら8時で閉店だったらしい。
ショック。

意気消沈の帰り道、
前方から紅い奴が周りを見回しながら歩いてくる。
「どうした?」
と声をかけると、
「道迷った〜BIG CATどこだっけ!?」
と紅い髪の男は言う。


…暁、お前のすぐ右側に見える建物がBIG CATだ。










2002.3.7 inレコーディング

レコーディング中、
ドラムのペダルが壊れた。

バスドラをヒットする部品の、鉄の柄の部分が曲がった。
朝はまっすぐだったのに、
一曲とり終わったら30゚近くも曲がっていた。

レコーディングスタッフにも楽器屋店員にも、
おかしいと言われた。
僕のような人間が普通に演奏している状態で、
このような壊れ方をする事はまず有り得無いという。

結局
「人間の脳は三割しか使って無いっていうから、
こんな事もきっとあるんだよ…」
という無理矢理な結論に。
そういえば以前スネアスタンドを壊した時にも、
通常では有り得ない壊れ方だと言われたな。

時計の時間が狂ったり、触る機械が高い確率で
誤作動を起こしたりする事は昔から良くある事だったけど、
最近は本当おかしい事が多い。…何かに取り憑かれてるのか?

どうせなら壊れたものが直ればいいのに。








2002/2/10〜16 道内ツアー




2002.2.10 札幌→青森

青森に向かう道中、
allure車 雪の坂道で大スピン。
車は一回転して左後方をどこかにぶつけながら
ようやく停止、
幸い対向車が無かった為、車にたいした損傷も無かった。

運転者だった朱莉は
しばらくの間かなり興奮気味だったが、
そんな出来事があったにもかかわらず
暁は一人 何事もなかったように爆睡していた。






2002.2.12 函館

僕が 機材車の後部座席ドアから
荷物を運び出している時、神羽が急に車を動かした。

僕は車輪に巻き込まれそうになり、
必死にドアにつかまったまま
2m程引きずられる。

神羽には 僕が見えて無かったらしいが、
車のドアが開いているの位は気付けよ。

周りで見ていた人は笑っていたが、
僕には少しも笑えない。





2002.2.13 函館→札幌

時刻は3:30頃、運転は僕だった。
車内全員爆睡中で、一睡もしていないまま
一番眠い時間に峠を運転という 最悪の状態。

そんな悪条件の中一人車を走らせていると、
背後から突然腕が伸びてきて
ハンドルを奪おうとして来た。
慌ててスピードをおとしながら振り返ると、
寝ぼけた神羽が 運転席に身を乗り出して来ていた。

助手席で寝ていた暁も
この騒ぎでは目が覚めたらしく、
二人でわけのわからない事を口走っている神羽を
なんとか後部座席に押し戻す。
と、
今度は朱莉が頭上から運転席に飛び出して来た。
もう車内は かなりわけがわからなくなり、緊急停止。

落ち着いた所で神羽に訳を聞くと、
「運転席に誰もいなかったから慌てて前に出ようと思った」
と いうのだ。
そして朱莉も
「誰も運転していないように見えた」と。
寝ぼけていたとはいえ、
二人そろって僕を消されては困る。
新潟といい函館といい、
最近僕は人の目に見えない瞬間が有るのではないかと
本気で思い始めている。





2002.2.15 北見→札幌

暁が一人 別の車に乗る事になった為、
帰りの車内には
神羽、朱莉、雫、僕とスタッフが一人乗っていた。

車を走らせしばらくたつと、
寝ていた朱莉がふと目を覚まし、
「あれ?暁は?」と言った。

車内は一瞬、
こいつは何を言ってるんだという空気に包まれたが、
神羽が面白がって「さっきのコンビニにおいて来た」と言った。
すると朱莉は
「マジで!?ヤバくない?どうやって来るの!?」と慌て出した。
どうやら完全に暁が別行動をしている事を忘れている。

そんな朱莉に僕は一言
「いいから黙って寝てろ」。





2002.2.16 帯広→札幌

道内ツアーは今日で終了、
車は朱莉の運転で札幌に向かっていた。

帯広から札幌に向かう途中に
日勝峠という所を超えるのだが、
あいにく雪も降り始めて 視界もあまり良く無い。

しばらく車を走らせたところで、
唯一起きていた助手席の僕に向かって、朱莉が爆弾発言。

「翔、ここ日勝峠じゃない…狩勝峠だ…」
「何!?」

車は思いっきり 道を間違え、北海道を北上していた。
地図をみながら1時間半程かけて
ようやく正式ルートに戻ったところで神羽起床。

「今どの辺?」
「…日勝」
「あぁん!?なんでまだ日勝!?」

という会話が車内に飛び交う。

寝ている間に何が起きていたかは聞くな。








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